Moeka

異人たちのMoekaのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

開始15分とかから5分おきにボロボロ泣いた。頭痛い…

アダムとゴーストの両親、ハリーしか出てこない世界であとはみんなエキストラ。ハリーも突然アダムの世界に現れた普段何をしているかも分からない謎の青年で、二人は親密な関係になるけれども、結局のところ全編アダムひとりの世界、アダム対アダムの話にも思えてきてしまう。両親も蘇ってでてくるけども、アダムにしか見えていないわけだし。そのことが、エレベーターでの無限の回廊にいる自分たち、ということが、凄まじく恐ろしく悲しいことであり、実際本当にそうだよな、とも思う。みんなStranger。(そういえば、大切な人以外はみんな自分の顔に見える傑作アノマリサってのもあったな…)
でも、たとえ自分対自分であったとしても対話を通してアダムは前に進んでいく。

幽霊でもなんでもいいから、もう一度あの人に会いたい。

もう一度だけでもいいから現れてほしい。しんどすぎて、ハリー、いなくならないでよ…と思ったけど。2人でこれからも一緒に、でもいいじゃんて思ったけど。でも、正体不明の男ハリーという役柄から、ある意味ファイト・クラブ的な感じでもあるのかなと思ったり。
物書きは凄まじい孤独の中で生きていかなきゃならないのだ。書くという人生が残されているから。

ラストシーンは悲しくて、優しくて泣けた。もう何も怖がることなく、ゆっくり眠ろうね。もう大丈夫だからね、って。

色々読んでたら山田太一さんは完成を見届けて亡くなったそうで、それもまた、目から汗が…
Moeka

Moeka