ソラアユム

貞子DXのソラアユムのレビュー・感想・評価

貞子DX(2022年製作の映画)
3.6
題名:貞子DX
鑑賞日時:2024年4月21日
鑑賞方式:Amazon Prime Video
評価:3.6(MAX5.0)

『この呪い、キミの頭脳で解明してみてはどうかね?』


□2024年69本目

□貞子の呪いを解明するIQ200の天才女子大生の活躍を追ったJホラーコメディ

『リング』から脈々と続くJホラーのストーリーフォーマットといえば、呪いによる被害が主人公の身の周りで起きて、やがて自分も呪われるというところから物語が駆動する。呪いの背景にあるおぞましき過去と歴史を深堀りし、その中から呪殺を回避する手掛かりを探す。

要するにその解き手は探偵だろうが、警察関係者だろうが、一般市民だろうが大した違いはない。そう、それがIQ200の天才女子大生という触れ込みだろうがやはり真相究明へと至る過程は既存のJホラーと遜色なかった。

とはいえ、呪いvs 天才女子大生というキャッチーな対立構造は掴みとして面白いし、劇中でもTVに取り沙汰されてSNSで話題を呼んだりと、今作のエンタメへの振り切り方は潔く、結果としてかなり見やすい仕上がり。

呪いの解明の仕方も実にエンタメに富んでいる。起こった事実の整理、考察、仮説を立てて、それが覆されるという形で物語にツイストを利かせる。序盤に提示された呪いのルールを恣意的に捻じ曲げることなく、徹頭徹尾物語の終わりまで突き通した実に誠実な作品だったと言える。呪いの法則性を見極め、解明する=呪いの存在を否定する、という謎ロジックはよく分からないが笑

もはや、アイコニックな存在になり果てた貞子を題材にした近年の作品の中では突出した良作品。ゆるキャラと着信音に頼りきった執拗なジャンプスケア、粘着気質でナルシストな前田王司のウザさに目を瞑ればそれなりにオススメ。


以上