ソラアユム

バーバリアンのソラアユムのレビュー・感想・評価

バーバリアン(2022年製作の映画)
3.9
題名:バーバリアン
鑑賞日時:2024年5月5日
鑑賞方式:NETFLIX
評価:3.9(MAX5.0)

『こんなのって話が大げさすぎるだろう…』


□2024年77本目

□就職の面接のためにデトロイトのブライトモアの宿に宿泊した女性が体験する恐怖を描くスリラー

自分が泊まるはずの宿泊先に先客がいた…というシチュエーションでスリラーの舞台を完璧に整えながらも、中々ジャンルの輪郭を掴ませないその手腕には目を見張るものがある。不動産屋の不手際か、それとも先客の優男が不法滞在者なのか。夜になるとなぜが寝室の扉が勝手に開いていて、その先には悪夢にうなされる優男の姿が…

今作はあらゆる角度から恐怖と揺さぶりをかけてくる。ヒトコワ的な怖さ、オカルティックな怖さ、人知れず閉鎖空間に閉じ込められる怖さ、そして…。あらゆるベクトルの恐怖が怒涛の様に押し寄せてくる展開で最後まで飽きずに見れる。

中盤、恐怖のピークが臨界点に達したところでの“視点の跳躍”も大胆だ。恐らくあの時点で話を切らずに継続させていたなら、今作はここまで評価はされないだろう。恐怖のパラーメーターを上げ切った段階でピークアウトを回避するために、視点人物チェンジという工夫は見事。

どうしても終盤ではジャンル確定による既定路線のストーリーに傾倒していくが、最後まで見ごたえのあるスリラーだった。


以上