怪作と言って差し支えのない壮絶な話だった。さかなクンというファンシーな役柄からは程遠い人生、社会の生きづらさを一切の説明なしにただただ演技と最小の会話だけで表現する凄まじい物語。
しかしそれは突き放すような無慈悲なものばかりではなく、ミー坊という「ちょっと変わった子」を温かく見守る母親やヤンキーだった友人たち、そして他ならぬお魚愛によってミー坊がミー坊らしさを失わずにさかなクンという存在になったのだと雄弁に語る内容だった。
それはそれとして、主演ののんさんがハマり役を通り越して唯一無二の演技をやっていてこれがマジですごく、なんか知らんがヤンキーたちをかどわしてる絵面になっているので色気がすごい。関わった人間の人生狂わせてる感がある。めちゃくちゃ良かった。
