「ノーラン印の原爆キノコ雲が見てえよ〜〜〜！！」とか言ってすいませんでした。ちゃんとした映画でした。
真面目な映画……と言おうとしたけどオッペンハイマーご本人がなかなかいい性格をしているので「こいつ……」と思うこと多々あり。セックスパートがガッツリあってびっくりした。全体的に性にも科学にも政治にも奔放すぎる作品。一番の目玉に思われた原爆実験は文句なしのパーフェクトシーンだが、その後の政治的後始末が本題と言ってもいいくらいに尺を取っている。その内容も露骨な吊し上げ圧迫裁判（裁判じゃなかったら何なんだよこれはよォ〜〜〜！！）に権力老人の暗躍パワーゲームというロクデナシ米国仕草ばかりであり、日本人犠牲者への目配せ皆無で白目を剥きそう。剥いた。
最終的にシロかクロで迫る聴き取りに対して、いい性格をしていたオッペンハイマーの人間臭さが浮き彫りになる対比はめちゃめちゃ良かったです。生きていれば……人間が揺らぐのは……当たり前だろうがよ……！
アクションもなくほとんどが会話劇で占められていたのに3時間ダレずに完走できたのでノーランはやはりすごい。
