「恋する惑星」の中の一編として考えられていたシークエンスを独立させて作られたのが、今作。
「恋する惑星」ほどポップではないし、殺し屋が登場人物にいるからか血生臭いところもあるが、どのカットを切り取っても洒落ていて、どのカットを切り取ってもウォン・カーウァイの作品。
金城武演じるモウと父親の親子関係が切なくて、最後のビデオのシーンは泣かせるし、モウが子供から大人へと少し成長した姿が良かった。
男と女がすれ違い、出会い、別れ、また出会う・・・。そんな単純なことを独自の映像世界で見るものを魅了するウォン・カーウァイの才能が公開当時の時代とうまくマッチしていたというのが令和の今見ても感じられるし、現在でも古びれることなく、見るものを魅了する。