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私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスターのKUBOのレビュー・感想・評価

3.5
大前提として、姉アリスと弟ルイは憎しみ合っている。

ルイは自分の子供の葬式にも姉アリスを入れずに追い返す。

アリスは両親を見舞いに来た病院で、弟がいるのを見かけただけで、意識を失って倒れる。

本屋で姉の息子に怒鳴りつける。

レストランで椅子を投げつける。

なぜこんなに憎しみ合い嫌うのか?

こんなに人前で感情的になる人を見たことがない。周りの人から見れば、かなりサイコだ。

赤の他人ではない姉弟だからこそなのか?

極端な憎しみは溺愛の裏返しか?

監督は「アリスを解放するためにこの映画を作った」と語る。

劇中、旧約聖書の「肉親の裸を暴いてはならない」という言葉が引用されたり、近親相姦を想起させるようなシーンもあるが、

なんとなくわかっても、その理由ははっきりとは明らかにされない。

どうやら、この姉と弟の「憎しみ」は、具体的なドラマや理由があるのではなく、作劇上での前提といったもののようだ。

憎しみからの解放、そして旅立ち。

理由をはっきりさせないからこそ、誰もが共感できる家族の話になるのかもしれない。(個人的には全く共感はできなかったが)

突然、空飛んだり、ジブリを思わせるようなシーンもあり、監督の遊び心も窺えた。
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