HAYATO

カラオケ行こ!のHAYATOのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.1
2024年141本目
合唱部の真面目な男子中学生と歌が上手くなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた和山やま原作の人気コミックを実写映画化。
合唱部部長の岡聡実は、突然見知らぬヤクザの成田狂児からカラオケに誘われ、歌のレッスンをしてほしいと依頼される。組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者には恐怖の罰ゲームが待ち受けており、それを回避するためにどうしても歌が上手くなりたいのだという。狂児の勝負曲は、X JAPANの“紅”。嫌々ながらも歌唱指導を行うことになった聡実は、カラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていく。
『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘さんがメガホンをとり、『罪の声』の野木亜紀子さんが脚本を手がける。
『最後まで行く』の綾野剛さんが狂児、オーディションで抜擢された齋藤潤さんが聡実さんを演じる他、『ファーストラヴ』の芳根京子さん、『キングダム』の橋本じゅんさん、『キングダム 運命の炎』のやべきょうすけさん、『ロストケア』の坂井真紀さん、『ヘルドッグス』の北村一輝さんらが出演。
原作は、「アメトーーク!」の「マンガ大好き芸人」で取り上げられていた作品だ。原作ファンが絶賛していると聞きつつ、見逃していたのでこんなにも早く配信してくれてありがたい。
期待通りの面白さで、クセになる不思議なリアリティがあった。ヤクザと中学生という本来交わるはずのない2人の邂逅が、狂児が合唱コンクールの音漏れに足を止める冒頭だけで「あり得そうな」ものとして表現されている。当然最初は全く噛み合わないが、カラオケルームで繰り返される歌唱指導を通じて徐々に変化していく2人の関係性の描き方が心地よい。
クスッと笑えるユーモアが満載であり、怖そうな見た目とは裏腹に陽気な性格の狂児のキャラクターが作品全体の可笑しさを引き立てる。
お気に入りは、聡実が大勢のヤクザに的確な毒舌アドバイスをかますシーン。チャンス大城さんはエンヤを歌って欲しかったけど、強面のヤクザの選曲が絶妙である。
 “紅”ってやっぱいい曲だな。
 
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