年度始めの多忙さは毎年毎年嫌になりますね。とりあえず何とか映画だけはペース落としてみましたが、レビューはかなり久々な気がします。
そしてサラッと見れそうだなと思って鑑賞したのが本作。つい最近まで劇場公開されていましたね。漫画が原作の作品のようで、また謎の実写邦画を作ったもんだわ、とか思ってたんですけどね、面白かったんですよ、これがまた。
もう設定とかもめっちゃくちゃで、ヤクザが組のカラオケ大会でドベになると墨を彫られるそうで、それが自分の一番苦手なものを彫られるから中学生に歌のコツを乞うって感じ。
もう一個一個何言ってんねん、って感じではあるんですけど、その絶妙な抜け感がたまらないんですよね。
キティちゃんが苦手な先輩が手の甲にキティちゃん彫られることになったのに、あまりに下手すぎて化け猫みたいになったって。最高。
全力で「紅」を熱唱するあの絶妙な裏声と顔。最高。
細かいこと言えばBGMの感じとか、何なら大阪弁ってチョイスとか、それこそ主演の２人だけでなく、副部長とか後輩の和田くんに至るまで、とにかくキャラクターとかも最高なんですわ。
まあ原作知らないので細かいことは知りませんが、映画見る部に関してはオリジナル設定みたいですね。その場その場の流れを汲み取るような旧作のワンシーンを映すのとか、それこそポロッと愚痴とか悩みを吐き出したくなるような空気感とか、巻き戻しができないビデオデッキとか、見事に青春時代を表しているようないいアクセントでしたね。
そんでもってそこに飛び込んでくる和田くん、凹む和田くん、見ず知らずの先生に怯える和田くん、最高です笑
あの青春時代ならではの素敵な出会い。その瞬間だけの、一過性の、だけどかけがえない人生の１ピースになるような出会い。これがヤクザだからこそいいんですよね。そしてまた変声期という子どもから大人に成長していくタイミングだからこそいいんですよね。儚く刹那的であることに無理がなく、それでいて虚しさとかでもない余韻を残してくれる感じがあって。
ナメててすいません。最高でした。
