ひこくろ

Autonomous 自律のひこくろのレビュー・感想・評価

Autonomous 自律(2019年製作の映画)
3.4
あらすじ読んでも予告編見てもまったく意味がわからなかった理由が、映画を観終わってはっきりとわかった。
全部、観ても意味がわからない。
これは受け付けない人はまったく受け付けないだろうなあと思った。

81分間、一切の台詞なし。
登場人物は青年一人。
ストーリーも、説明も、まったく何もない。

ひとつだけはっきりしているのは、動物の死骸を扱うシーンがあまりにも生々しくグロテスクなところ。
これにより、少なくとも、肉を食べるということが「生命を奪う」とイコールだということだけは強烈に意識させられる。

僕はこの映画を「生きるということはどういうことなのか、という問いかけ」と捉えたが、これだって何も自信はない。
じゃあ、なんで舞台が街中なの。なんで自転車に乗ってるの。人が出てこないのなぜ。タトゥーは何。
と聞かれたら、答えようがない。しかたがない。映画が何も語ろうとはしないからだ。

逆を言えばどんなことでも答えになり得るような気もする。
「文明批評」とか「機械風刺」とか言ったって、なんかそれっぽく聞こえるし、あながち間違ってもいないだろう。
何も語ろうとしない以上、この映画には正解も不正解もたぶんない。

「結局は意識高い系の映画なんでしょ?」
そう言われても何も否定できない。
そして、それが一番、この映画には合っている答えなのかもしれないな、と観終わって思ってる。
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