鴉

バーバリアンの鴉のレビュー・感想・評価

バーバリアン(2022年製作の映画)
3.6
デスストの映画版をコジプロと共同制作するスタジオが制作した映画とのことで観てみました!
地下室に入る時のギミックが面白く、徐々に奥深くに忍び込んでいく感じがバイオ7のような雰囲気でした。
懐中電灯が故障してライトが点滅してる間に、徐々に敵が近くにやってきたり、薄暗い中から敵がじわっと姿を現したり等、安直に脅かすのではなく、前後の流れを汲み取って怖さに緩急があったのが良かったです。
急にビックリさせる瞬間はちらほらありましたが、それ自体は許容範囲内でした。(冒頭の後ろから声をかけられたときのSEはいらないとは思ったw)
映画の真ん中辺りで、映画のトーンがきっぱり変わって、どういう展開になるのか混乱しましたが、後半の雰囲気はちょっとコミカルな雰囲気もありつつ、緊張感も作れていました。
話の規模は小さいですが、その家の地下で何か行われていたのかを観ている人に推察させる見せ方だったのが良かったです。(直接見せる必要もないというか、直接は観ない方が良いものかもしれないw)
話の全貌は理解できましたが、それでも敵があんなに脅威的になったのかは少し話が飛躍しすぎてて、今思うともっと生身の人間らしさがある方が、気味悪さや怖さが出せたのではないかなと思いました。(それこそバイオ7のベイカー一家みたいな感じ)

効果音でいうと、フォーリーはしっかり馴染んでいました。フォーリーでいうと前半部分はかなりフォーリーの要素がメインですが、キャラクターの仕草の加減に合わせて違和感なく付けられていたと思います。
ただ、途中のシーンでちょっと違和感に感じる部分はありました。人がオープンカーに乗っていて運転しながら会話をしているシーンがあって、オープンカーなら外の風の音が強く吹いているはずなのですが、風の音が全然なくて、カーステレオから流れてくる音楽はステレオで再生されていたのが違和感でした。引きのカットの時はステレオの音楽でも良いですが、乗車しているカットになったら、カーステレオの音はモノラルでラジオエフェクトをかけつつ、環境音で少し主張のある風の音やエンジン音を入れるなどしてもよかったんじゃないかなと思いました。
エフェクト系のSEもホラーだからといって、やりすぎていない感じなのか好印象でした。ホラーはでかい音で脅かす事も可能ですが、それをすると作品の質がかなり左右されてしまうので。
最後ら辺でかなりグロいシーンはありましたが、グロさは許容できる範囲でした。先ほども書いたように、敵がどうしてああいう姿になったのかは誇張されすぎていると思いましたが、作品のメッセージも一貫してはいたし、結末が読めなかった展開の作り方なのも好印象でした。
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