『毎年、地球3周分の距離を走る。
12キロ。
この国から出たことはないが』
『娘のおかげで
パリを再発見できた』
タクシー運転手ならではの
会話を引き出しつつ、
客視点でタクシーという空間が
どのような意味合いを持つかも
描いている。
それが、1人の老人客。
タクシーに乗り、
ある目的地に向かうこと
=自由を象徴する最後の旅
として切り取られる。
ある目的地とは、
介護施設を指していた。
束縛という、
不自由を象徴する空間と…
タクシーにおける
自由な空間の
対比が印象的だった。
老人客の過去を
想像以上に深掘りするため、
そもそもタクシー運転手で
ある必要があったか?は
疑問として残る。
おそらく、
タクシー運転手から見る、
現在のパリにおける
自由な街並みと…
女性が語る、
偏見や不条理が多かった
1950年代の
パリの対比を
描きたかった
と考える。