このレビューはネタバレを含みます
直視できないシーンがたくさん。
その残虐性に、恐怖しながら、憤りながら、「でも自分があの場にいたとして、他にどうすれば良かったの...?」と重たいものを抱えて帰った。
被災地に行った夫を待つ妻に、捏造された恐ろしい噂を伝えて心を殺しておきながら(善意)、「かわいそうに」と投げかけるグロテスクさ。
声高に殺戮を扇動しておいて、間違いだったと分かった瞬間「だってお国が言ったから...」と被害者になる長谷川。(そしてきっと彼は本心でそう思っている。)
リアル。みんな普通のひと。私が過ごすこの「日常」と地続きの世界。
序盤から垣間見える病んだ空気。事件はあんなに恐ろしいのに、おぞましいのに、「起こるべくして起こった」と感じられてしまう。そしてそれは「もしかしたら今後も起きそう」という感覚でもある。こわい。
・これを見る限り、日本政府が組織的に行なった虐殺に見えるけど。責任はどこへ。
・大杉栄がどんな時代に生きてたかちょっと分かった気がした。「風よあらしよ」とはしごしたかったなあ...。彼の本を読もう。
イスラエルにもこんな空気が蔓延してるのかな。日頃虐げてるからより報復が怖くて、過剰な制裁、虐殺を行うのだろうか。
ガザから送られてくる動画を見ながら、東京で行われたデモの動画を見ながら、国際法違反を許す国際社会に怒りながら、結局何もしてない私は村長みたいにダサい。
ダサいなりに、でも感覚を麻痺させずにいたい。できる限り直視したい。
みんな「守るため」に人を殺すのだな。
・誰かあの韓国語を教えてください。知りたくないような気すらするけど。
・馬のおじいちゃんと嫁の関係は結局..?