Moeka

aftersun/アフターサンのMoekaのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

無邪気な「バイバイ」が不穏にさせる。ホラーみたいじゃんか!やめてよ!
パパのテーブルの上のグラスは思ったより多い。娘が寝たあとには煙草も吸いたい。優しいパパ。自分が寝るベッドは小さな簡易的ベッド。襲われたらこうするんだと教える、、、小さな娘は、まだよく分からないよね。パパが「笑い事じゃない」っていうの。
あのとき一緒に歌ってくれなかった寂しさ。ダンスが好きだったパパ。(今思えば、その時だけでも楽しもうとしているみたい)
どうしても入れない年上のグループへの眼差しや、「自分は親と来てるんだよな〜」みたいな子供ならではの疎外感と同時に、若い父親が抱えている心の泣き声が、愛する娘と一緒にいてもぬぐえないその部分がはっきりと描き出されてゆく。
あなたを知りたいと思うときは早すぎるのか、遅すぎるのか?Under Pressureのシークエンスがストレートで泣くが、これも映画のなかのこと。だが、夢や願望による舞台を連れてくるのは、映画の優しさだ。愛してる、や忘れないでね、の言葉は、いかなる生をも越境するとせめて信じたい。

私にとっても、生まれて初めての身近な異性、全幅の信頼を置いているんだけどなんだか得体の知れない異性(人間!)は父親だったな、とかエモーショナルになる。
机のうえに増えていくビールのグラス。追加でもう一杯。
あなたを知りたいと思ってもどのように知ったらいいんだろう?もう少し自分が大人になったら色々話せるようになるのかな、とか。
でも、わたしが彼とお喋りできるくらい(成人はとっくにしたとかはおいといて、色々。)の人間になった時、パパはもういなかったらどうしよう。

2人の主役の方が素晴らしかったが、パパ役の人は欲望という名の電車でスタンリー演じたんだね!ローレンス・オリヴィエ賞!!!(30歳の役だったけど、実年齢は96年生まれで一個下の方だった😅😅すごすぎるーーー!!!)
Moeka

Moeka