山田洋次監督のドキュメンタリー的な映画は現代を風刺しているようにも思える。
現代社会の複雑な人間関係や家族の在り方の変化が大きな焦点となっている。
映画の中に相撲力士の現役の明生関が出演していたのには驚いた。
大泉洋さんの幅広い演技力と吉永小百合さんのいつまでも若く、情熱ある役作りには感嘆させられた。
人間とは、一生涯何らかの刺激と興奮そして忘れられない過去を背負って生き続けなければならない気がする。
映画の最期に母の失恋と人生において挫折した息子が、二人の長年住み慣れた家で会話する。この場面は終わりではなく、これからの二人の新たな親子の生活の始まりのように前向きに思えた。
この時代でありながら、昭和を感じる人情味ある物語であった。