のんじ

バジュランギおじさんと、小さな迷子ののんじのレビュー・感想・評価

4.0
 歴史、宗教、経済の違う異国であるインドとパキスタンをヒンドゥー教を信じるパワンとイスラム教を信仰するシャヒーダー(声が出せない6歳児の少女)の異国間の移動には問題点が多くあった。

 今地球上では、民族や宗派の違いなどで戦争をしている国々が存在している。痛ましい惨事である。何故人間はこのように争うのであろうか?

 この映画は、民族の違いや信仰する宗教も違う国から国へパスポートもなく、知り合いもいないなかを異国まで少女を連れて行くという命懸けの使命感だけで行動する。生真面目なおじさんの言動と母のもとへ帰りたいと願う少女の気持ちが実に心を打つ。

 この映画の最期の映像は胸が熱くなる。映画館で一緒に鑑賞していた人の中にも目頭を熱くしているものが多かったようだ。

 インドとパキスタンは歴史や政治的にも敵対して、何度も印パ戦争などが起こっていることからして、この両国間を横断したこと事態が奇跡に近いことを感じる。

 この映画はただドタバタ劇だけではなく、今の世界状況から人間の尊厳の大切さを問いかけているようで、たくさんの人にも観て欲しい。
 
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