かつて沢木耕太郎氏の《深夜特急》は、20代の私のバイブルになった。
感化され、それが人生の指針になり、私は今こんな所にいる。
彼が昔ルポで、ボクシングを取材していたのは知っていたので、てっきり昭和の話だと思っていたら、2015年からの新連載が原作だった。
時代背景の明記はない様だが、もし仮に昭和であれば、雰囲気は合致していると思う。
ストーリー自体はまるで、明日のジョーの様な展開だし、令和の時代背景には似つかわしくない。
ならばむしろカラーでは無く、解像度の高いモノクロで撮った方が、印象深い作品になっただろう。
横浜流星さんと窪田正孝さんはボクサーに見えるし、クロスカウンターのスピード感も確かに感じられた。
申し訳ないが、橋本環奈さんの薄幸な女性は全く似合わないので、ミスキャストだと思う。
目の下のクマもジャンキーに見えてしまう。
日本人同士とはいえ、世界タイトルマッチであるなら、もう少し派手な会場や演出はあったほうが良かったんじゃないだろうか?
地味に過ぎる。
哀川翔さんも、そんな歳になったんだね。