Bitdemonz

ゴジラ-1.0のBitdemonzのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
ゴジラのサイズ感(距離感)がとてもよろしく、“災害”としての容赦のなさがビンビンに出ていたのも素晴らしい。特殊効果もかなり迫力のあるもので、近年のゴジラアップデートとして(恐らく一番多く)望まれるべくしたカタチに仕上がったものだと感じた。

主人公のストーリーは最終的な着地とカタルシスに向かう導線がしっかりと引かれており、その説得力の高さと併せてキレイに収まっている。

おおよその展開は「わかる人」の期待を目一杯“裏切らない”ベタすぎるぐらい色々な意味での“熱さ”があり、その真っ直ぐな内容は(その殆どが先読み出来たとしても)むしろ清々しいような青さがある。

ド直球の真っ直ぐさゆえの“青臭さ”はまるで漫画的なものにも感じたが、大衆向けのエンタメとして考えた場合は恐らくコレが最適解なのだと感じる。



どちらかと言えば未曾有の災害に対しての”持たざる者”側の視点が観たいので(オトコたちのアツい展開も結構ではありますが)、もっとゴジラには街中で大暴れして欲しかったというのも正直なところあります(それでもかなり今作は”寄って”た方だとは思いますが)。

とはいえですが、こんな怪物...一体どうやって倒すんだという絶望感を煽るゴジラの圧倒的な無敵性は、今作の設定した「ボロボロな状態での日本」と上手く噛み合っていて特に際立って見えたのが良かったです。
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