猫そぎチャンスペロッテ

せかいのおきくの猫そぎチャンスペロッテのレビュー・感想・評価

せかいのおきく(2023年製作の映画)
4.5
2023年日本
監督/ 阪本 順治
出演/ 黒木 華(おきく)/ 寛 一郎(中次)/ 佐藤浩市(松村源兵衛)/ 石橋蓮司(孫七)/ 池松壮亮(矢亮)/ 真木蔵人(考順)

時代は黒船が到来し、開国を迫られる江戸末期の安政万延時代、、世界最大100万人都市・江戸には上水道はあったが下水道が無かった、そのかわり、江戸では、糞尿の利用が“循環システム"として完成していた、、日本人にとって、“糞尿"は、産業であり文化であり、環境と調和したものだった、それが堆肥として畑で活用された時代は、高値で取引されていた、マジカ😆⤴️


映画は、糞尿を農作物の肥料として農村に運ぶことを生業にする汚穢屋(オワイヤ)すなわち「下肥買い」を始めた中次(寛 一郎)と武家育ちのおきく(黒木 華)の恋を描いている、、

冒頭からの糞尿映像に身が引き締まる(モノクロなので直ぐに馴れたが)思いであったが、〈芸術作品〉だと自己暗示をかけ続けた、、、(ガンバッタ👊😆)

佐藤浩市演じる〈松村源兵衛〉は、れっきとした侍であるが、今は貧乏長屋で娘の〈おきく〉と暮らしている、、
そのおきくは、寺子屋で子供たちに読み書きを教えている、、
時代の動乱のせいか、源兵衛が“せかい”の果ての話をする、、「空のはてはどこだ、、はてはない」「それがせかいだ」

世界を“せかい”と表すと何故か意味が深い、、「せかいで一番お前が好きだ」、これが最上級の言い回しだ、、(ウム🐥)

おきくは、たまたま中次と知り合い恋心を抱くようになる、、中次はお侍のおきくとは釣り合わないと遠慮がち、、

しかし、ある悲惨な出来事に巻き込まれたおきくは、喉を切られ、声を失ってしまう、
声のでないおきくが、恋のもどかしさ、溢れる恋慕、、空想の照れ、を「おきくの下駄」の動きで表現していたのが可愛らしい、、(黒木華だけが上品清楚を代表していた サスガ♥)

途中は「クソ」の話がいっぱいある、
雨が降ったあとは溢れる、、溢れるところが、、映像で観られる、
(おきく)「そこに私のものは入ってございません」
(孫七)「ものってクソのことか」😀😂

(矢亮)「クソも味噌も同じで寝かせた方が良い」(😹ホンマカ?)

そして、寺の考順(真木蔵人)や子供達が寺子屋を再開するように説得する、
「声が出なくても書がある、大事なのは言の葉、人には役割がある、役を割ってその半分をおきくさんが担えばええ」、

おきくも、再開を決意する💗

辛い時代だけれど適度のホカホカがあり☀️、だじゃれ、小話もあったが、学歴とか職業でなく人として尊敬できる人々が江戸期にいたんだなと分かった(ナットク💕)


テーマの糞尿も含めてリアリティーと暖かみとかぐわしさのある映画でした💕❗