イチロヲ

おんなの寝室 好きくらべのイチロヲのレビュー・感想・評価

おんなの寝室 好きくらべ(1978年製作の映画)
3.5
勤務先の倒産により社長との肉体関係が途絶えた婦人(宮下順子)が、スナック経営を支援してくれる医師に心惹かれていく。自身の打算的な思考に翻弄される女性たちの生き様を描いている、日活ロマンポルノ。

いわゆるひとつの「情欲をぶつける相手を見失った状態における乱反射現象」を説いている内容。70年代特有のアンニュイな性愛ドラマであり、やや飽食気味ではあるが、3名のスター女優が同じ画面に映っているだけで、スペシャルな気分が味わえる。

スナックでバイトする女子大生(原悦子)は、彼氏と一緒に女性主導型の同棲生活を送っている、若い感性をもった女の子。そして、新たに知り合う喫茶店経営者の夫人(谷ナオミ)は、夫との倦怠に喘ぎながら、新刺激を追求している、グラマー美人。

プレイボーイの医師を奪い合う展開から、「私たち、何やってんだろう?」へと落としていく、定番パターン。男に尽くして、男で挫折して、寄せては返す波のような日常を送り続ける女たち。やはり飽食気味だが、70年代への鎮魂歌だと思えばオッケー。
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