本作が「早すぎた」ことは間違いないだろう。だが、「現代的」とか「メディア社会への警笛」などと言ってしまうのは、少々短絡的なように思えてならない。クローネンバーグ作品に共通して流れている、アウトサイダー、異端者になってしまった者の冷たい孤独と混乱。幻想と現実がいりまじり…全てが許されている…そんな世界。そして何より有機物と無機物が入り混じり、精神と肉体が「変態」していく美しく恐ろしいエロティックさ!!!画面に映るひとへの何とも言えないあこがれ!私は永遠にクローネンバーグが描く腫瘍に犯されたままうっとりしています。クローネンバーグよ永遠なれ!!