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ドミノのBitdemonzのレビュー・感想・評価

ドミノ(2023年製作の映画)
3.4
トレイラーを観ての(視覚的な)ワクワク感から思わず劇場に足を運んだワケだが、そうした部分の大半はトレイラーで全てだったように感じる。但しそれは後半からひっくり返る“驚き”の設定を伏せてあるため、ともいえなくもないが、前述の部分での期待を“アイデア”でひっくり返す仕様ゆえの、「おもしろいが...」というズレ、ここまで引っ張って実はもっとあるんだろ?というひっくり返りは、少なくとも映像的な部分ではそこまで大きく期待値を越えることはなかったのが正直なところ。

20年近く(?)温めてきた企画がようやくカタチになったそうだが、予算やスケジュール(コロナ禍による制限など)、そして公開時期(それこそ『インセプション』より早ければ)なども含めてもう少し上手くいってれば、というある種の“惜しい”感は拭えない。

とはいえ、後半のガラリと変わる展開と不自然な点の辻褄が合ってくる部分は多少強引ではあるが面白く、「マイナスする事での追体験」は設定自体に目新しさは感じないものの、前半の内容が活きてくる見せ方としておもしろかったのも確か。

「あなたはきっと騙される」系のキャッチはあまり好きではないのだけど、ハッキリ言えば「いや、知らんし」という展開(まぁそう言われればそうなのかもだが...これは騙されたと言えるのか?)には、このキャッチがそもそも客を既に“騙している”感があり、余計な先入観がない方がよりかえって楽しめるのではないかとすら思う。こうした手法でどうしても来場を増やしたい気持ちは、なんとなくわかるんだが。

とにかく、あくまでも初見の感想だが、実は前半部分の映像の中に“巧みに仕込まれた”仕掛けがあったのだとすれば、例えば『サスペリア2』の冒頭のような”見逃してた痕跡”のような...例えばそこかしこに“微かな乱れ”のようなものでも仕掛けられてれば、キャッチも活きてくるかもだし、もう1回楽しめるかなと思ったり。




後半の展開と見せ方は結構好きなんですが、観ていてちょっと思い出した作品があります。

それは昔、フジテレビの深夜で放送されてたと記憶してるんですが、海外のアニメーション作品で、“LSDでの戦争使用による恐怖を伝える”とかそんなカンジの内容で、散々色々展開された挙句に、この映画と同じような...それを延々繰り返してる事を本人は気付かず、周りで医者が見てる...だったような。

なんか『ジェイコブスラダー』と記憶がごっちゃになってるんですが、そもそもこんな作品が世の中に本当にあったのかという記憶自体が曖昧になってまして、思い出す度に探すんですがなんの糸口も無いんですよね。

もしご存知の方いたら教えてください笑
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