BOB

マディのおしごと 恋の手ほどき始めますのBOBのレビュー・感想・評価

3.5
『グッド・ボーイズ』のジーン・スタプニツキー監督、ジェニファー・ローレンス主演のロマコメ。

NYロングアイランドはモントーク。金銭的問題を抱えている32歳の女性が、裕福な両親に雇われ、大学入学を目前に控えた内気な19歳の青年とデートする。

"You're nineteen, grow up!"

これは良いロマコメ映画。1つの"恋愛"がきっかけとなる、殻を破れない二人の人生再出発物語。甘くて、面白くて、切なくて、最後には前向きな気分になれる。

『青い体験』『思い出の夏』『マレーナ』などの系譜を継ぐ、童貞少年が魅力的な年上女性と過ごす忘れられないひと夏の恋物語を、青年/少年視点ではなく、年上女性視点から描いている所が新鮮。2人のキャラクタードラマがしっかりしていて、年齢、性別、性格、家族、経済力など、多くの点で対照的な両者のどちらにも共感できる作りになっている。二人のパワーバランスの変遷に注目。

主演のジェニファー・ローレンスがとても輝いている。セクシーなお姉さん役はハマっていたし、コメディ演技は笑えたし、感情的なシーンではしっかり泣かせてくる。ジェニファー・ローレンスはあっけらかんとしたとても面白い人なので、ロマコメ映画初主演なのはかなり意外。ビーチでのフルヌードファイトシーン🦈は色々と衝撃的だった。

内気な青年パーシーを演じたアンドリュー・バース・フェルドマンもはまり役。ジェニファー・ローレンスとの相性は良かったし、"Maneater"♪のピアノ弾き語りシーン🎹は素直に感動した。面白いことに、作品内でパーシーはプリンストン大学への入学延期を口にしたが、アンドリュー・バース・フェルドマンは本作への出演のため、ハーバード大学への入学を遅らせたらしい。

本作のプチサプライズは、『フェリスはある朝突然に』で主人公フェリス・ビューラーを演じたマシュー・ブロデリックが、過保護な父親役で出演していたこと。高校を堂々と仮病でサボり、父親の赤いフェラーリを乗り回していた青年が、すっかり立派なパパになっていた。赤のSUVが破壊される描写は、あの有名なシーンのオマージュなのかな。

ストーリー背景には、ロングアイランドのジェントリフィケーション問題があった。

あと、この邦題はさすがにダサすぎないか?

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