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落下の解剖学のzkのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.9
裁判とは娯楽である。(当事者以外にとって)
なかなかストレスフルな法定劇。予備知識なしで観たので、てっきり事件の真相の謎を解く法定ミステリだと思っていたが全然そういう話ではなかった。
アカデミー脚本賞になるだけあって、映画としてのカタルシスは見事。

以下ネタバレ抵触します。

真実がわからない時、状況から類推するしかない。そしてそれはパズルを組み立てる人間の立場によって様々に解釈は変わる。まるで羅生門を観ているかのよう。

とことん晒し者にされるサンドラが気の毒だったり彼女を疑ったりしながら観たりで、なかなかメンタルを削がれるものがある。
150分観続けてぐったりしてしまった。





ただ普通に推定無罪の原則適用で物語は終わる。
しかもそれを子供に諭されるという。
物証ないのに有罪にしようとする検察側が狂気。ちょっとありえないと思う。仏って情緒重視とか、そういう国なのかと思ってしまう。
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