枯れ葉のLauraのレビュー・感想・評価

映像が音を追いかけていた。事故のシーンも音だけで表されるし、音が常に優位にある映画。都会のなかで文字通り身を削って働く人々と、ラジオで伝えられる遠く離れた地の戦闘状況と。物語として何か具体的な打開策が提示されるでもなく、かと言ってつましい日常に希望を見出しましょうとか、そういう綺麗事が唱えられるわけでもない。諦念に近いのか。随所にちりばめられたシネフィルに対する目くばせはチャーミング。