楓

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。の楓のレビュー・感想・評価

3.5
他にも言ってる人いたけど初心者向け戦争映画という感じ。小学生〜高校生が観る分にはめちゃくちゃ良さそう。元々のターゲットもそこら辺なんだろうけど。
個人的には期待しすぎてしまったかなぁ。もちろん人の心はあるので感動したしちゃんと泣いたんだけど戦争映画にしては薄っぺらく感じた。タイムスリップものなので仕方ないけど、主人公百合がその時代に溶け込めてなさすぎて冷めてしまう部分が多い。戦争のない平和な現代に生きている子だから戦争や特攻隊が存在する意味がないと訴えたい気持ちはわかるけどそのセリフを今そこで言うかとか、未来のことなんて知らないその時代の人にしかわからない事情はあるものであまりにも空気が読めなすぎる子だった。それを踏まえた上で、彰が百合の事を好きになる理由もよくわからないし好きになる描写も無かったので上手く主人公コンビの恋模様には感情移入出来なかった。舞台が戦争の時代とはいえど一応ジャンルが恋愛映画ならばもっとキュンとするような場面だったりの描写が少し必要だったと思う。よくわからん突然現れた空気の読めないおかしい女の子を数日間で好きになるかね。それよりも石丸&千代コンビの方が応援したくなったし主人公コンビよりよっぽど2人の愛に泣けた。両思いなのに結ばれないまま、あえて想いを伝え合わないままお別れするのは苦しい。加えて腹ペコ隊(特攻隊)5人の設定も良かった。娘がいたり愛する人がいたり特攻に対する誇り?を持っている人がいたりそれぞれ心に抱いている思いがある中、大切な人がいる中で飛び立つシーンにはグッときた。このシーンといい所々で泣けるシーンが散りばめられているから感動はするんだけど、割とすぐシーンが変わってしまうから涙が乾いてしまって勿体ないことになっていた。ラストあたりで感動要素を詰め込んで詰め込んでもっと辛すぎる別れに出来たら更に良い作品になっただろうなぁと思う。尺の問題とかもあるだろうけど。

戦争映画入門編として期待をしすぎず観る分には全然良い映画だと思います。あと水上恒司が瞬きしなさすぎて怖かったです。(レビュー書いてて思ったけどこの作品がいまいち号泣レベルで泣けないのは役柄のせいもあるけど、水上恒司の表情があまり変化しないからっていうのもあるかも)
楓