糖

哀れなるものたちの糖のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
今年一の傑作になり得る。
映画音楽に明るくないため言を尽くせないが、BGMが巧妙。色彩のトリックも白黒―着色の二元性のもとにはない。動き、音、色、コンテクスト、どれをとっても奥行きがあるので見飽きない。フェミニズム的なパースペクティヴも否定しないが、実際これは生命の話であり、生の話である。加えて死は体験の外にあり、ここから作品全体が生理学的なアプローチの可能性に開かれているのではないか。
死後の弔いの問題について考察する必要がある。これははたして本作において宗教的なものと完全に結合していると考えられているゆえ捨象されるのか。
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