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さよなら ほやマンのべるのレビュー・感想・評価

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)
3.9
僕とあなたが会話をしたとして、それを録音して第三者に聞かせた時、当事者以外には話の内容の6割以上が理解できないそうだ。
映画はそれでは困るので、科白を説明的にしたり、不要な一人称を付け加えたり、曖昧になっている語尾をはっきりさせたりするのだけど、今作は良くも悪くもこの旧態依然とした映画の仕組みを無視している(というか、ギリギリまで削っている)。
その結果、リアリティと同時に生まれたのが、余韻というか空白というか。つまり観客が想像する余地があって、しかもそのバランスがとても心地よくて、見終わった後でも世界に深く入り込めると思いました。

津波の表現にアニメーションを使っていて、実写とかCGじゃない分、逆に想像力を使って見てしまってキツかった。
あと、起承転結の「転」の部分が想像と違うところから飛んできてちょっと展開についていけなかった。というかあそこだけややステレオタイプだったかな。でもまぁそういうことを描くべきなのだろう。
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