タイのオムニバスホラー、シリーズ第二集。
山の寺院に預けられた少年僧が、施餓鬼のあった地で遭遇する恐怖と“罪”
「見習い僧侶」。
事故で入院した青年の隣のベッドには脳死の老人がいた……
「共同病室」。
浮かれた日本人バックパッカーがヒッチハイクしたトラック。荷台から響く謎の音から始まる
「バックパッカー」。
事故を起こした欠陥車を隠蔽して売り捌く悪徳女中古車ディーラーの夜
「中古車販売」。
ホラー映画の撮影現場で巻き起こる大騒動と顛末
「最後に」。
日常に牙を向き、人知れず闇に消えるような一抹の“奇妙”が、タイらしさたっぷりの爆発力で咲いて消える規模感と、本腰入れたホラー描写はかなり好み。
短編ゆえにそこまで深く作り込まれてはいないが、どの話も簡潔かつ想像力を掻き立てられる面白さと、今まで観てきた東南アジアホラーの印象的特徴である
・子供への容赦なさ
・心霊現象とて物理が強い
・スプラッタメインとまではいかないが血肉や内臓の描写の本気度
・お国柄×ホラーの「日常の中に本当に起きそう感」
を網羅していて、更に描かれる“怪奇”の種類も様々。
トッケイ(水色にオレンジ水玉の巨大やもり)をおどろおどろしく出してきた一話目、カメラワークが決まってる二話目、急な日本人登場が面白くまさかの展開を見せる三話目、心霊×ゴアがパワフルな四話目、異色のコメディタッチありの五話目と、どれもなかなか楽しかった。
私の大好きな『心霊写真』『女神の継承』の、バンジョン・ピサンタナクーン監督は5話め！！
