烏丸メヰ

アポストル 復讐の掟の烏丸メヰのレビュー・感想・評価

アポストル 復讐の掟(2018年製作の映画)
2.9
カルトの支配する小さな島に拐われた妹を救う為、入信希望者を装い潜入したトーマス。
厳しい教義と貧しい暮らしに縛られる人々と、預言者の崇めるものはーー。

Netflixが配信しがちな“怖くない、作家性と雰囲気重視ホラー”の典型といった印象。
ホラーなサムネイルでスプラッタカテゴリにあったのを見たが、ゴア・オカルト・カルト・ダークファンタジー等どの要素も予想を超えてこない(後述するが結局主題としてキリスト教的価値観をかなり主張してくる映画である為)。
逆に「上記要素に力を入れた話の早いジャンル映画的ホラーやゴアを映画として低俗と見る層」には受ける気配。

“妹救出”というテーマの他にそこらじゅうに群像劇が散らかりまくり、そこに芯を見せないが毛色を変えてくるオカルト要素、カルト島が舞台だが教義に映画的イロモノ性がほぼ無くキリスト教的であり、更に本家キリスト教要素の方を見せたい気配、肝心のそこを見せないのかよ!なゴア。
これらで2時間超じっくりたっぷり行くので、ジャンル映画的なインパクトを好まず群像劇の長さを冗長と感じない人は好きかも。
基本的に「……で、何!?ここで終わり!?」止まりの描写や事件があっちこっちで続くのも、逆に言えばショックシーンの瞬間風速を見所とせず、全容を語らないアート&想像におまかせ系が好きな人にはかなり刺さりそう。

BGMか環境音か分かりにくい音声を除けば、所々挟まる絵画のようなシーン含め映画全体の雰囲気や構図は全編通してかなり良い(日本人の黒い目にはかなり暗いので明るさ調節推奨)。
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