浅野公喜

愛の選択の浅野公喜のレビュー・感想・評価

愛の選択(1991年製作の映画)
3.6
個人的にあまり美人には見えないジュリア・ロバーツが白血病のインテリ青年の看護をするジョエル・シューマカー監督作品。ジュリアの赤のボディコンみたいなファッションが時代を感じさせます(レザージャケ+ジーンズのコーデもアーリー90sルック?)。

序盤の辺りから早速病気で苦しむ姿をちゃんと描く等テンポの良さを感じますが、看護をする中で同情から愛情へと変わっていく描写が若干不足している感覚も拭えず。そして可能であれば青年と父親の確執や和解にもより切り込んでいって欲しかった所ですが、中盤ジュリアが引っ越し先の男とドラマ等の大衆的な話題で盛り上がり仲良くなるのにやきもち焼いたり、薬の副作用も関係していますが雑学でマウントをとったりパーティーでジュリアが男と踊る所を切なく眺める姿はインテリ且つ難病の男性故の複雑な感情と行動心理を感じさせ「希望を持つのが怖い」という台詞と共に印象的でした。ケニーGのBGM、割とさらっとしたエンディングも品を感じさせます。

引っ越し先で出会う老人の女性を演じたコリーン・デューハーストは青年演じたキャンベル・スコットの実の母親(=親子共演作)で、今作が亡くなる直前の作品(遺作ではないみたいです)。ジュリアが所有するピンクのキャデラック・エルドラドは車種も年式も色も今作から2年後の「トゥルー・ロマンス」で主役二人が乗っていたものと全く同じなんですが同じ車だったのか気になります。
浅野公喜

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