障害者殺傷事件を題材に、人の命の尊厳についてを徹底的に問う傑作。
タブーとされてそうな題材を映像化するという事で多くの批判はあると思います。
監督の覚悟は相当なものでしょう。
全編通して暗く、そして重く
世間から隠す様にある施設
受賞歴もある元小説家の主人公の洋子（宮沢りえ）はアニメ作家を目指すフリーターの夫、昌平（オダギリジョー）と細々と暮らしていた。
生活費を稼ぐため重度障害者施設で働くことになった洋子。
入所者の予測不能の行動や不衛生な環境、職員による暴力…
問題が起こっても隠蔽し、臭い物には蓋をする社会がそこにもあった。
職員の中には嘘が嫌いな嘘つきの小説家志望の同じ名前の陽子（二階堂ふみ）
明るく好青年の絵が上手い さとくん（磯村勇斗）
介護に意味を見出せなくなった さとくんの胸の中に
「人といえる者だけが生きる権利がある」「心が無いもの（意思疎通が出来ない人）は人ではない」という危うい思想を持つようになり…確信する…
主要な4人のキャストは皆、素晴らしい演技を魅せており、個々が抱える苦悩や葛藤などが上手く表現されていたと思います。
管理人バイトの先輩の人のくそムカつく演技も良かったです🫤
そして終盤の
洋子と さとくんの息を呑む対峙シーン。
自身の思いを吐露する2人の迫真の演技は必見。
引き込まれました。
聞き入りました。
淡々と語る さとくんの思想や問いに、
言い返す言葉が見つけられない自分が居ました。
この作品は犯人の事をじっくり描くのではなく、あくまで夫婦の事がメインです。
悲惨な中にもしっかりと夫婦愛についても描かれていました。
個人的にはオダギリジョーの存在が良かったです。
職員も近づくなと言われてる、あの部屋の入居者の世話は誰がしてたのだろうか…😨
