ウエストレイク

過去のない男のウエストレイクのレビュー・感想・評価

過去のない男(2002年製作の映画)
5.0
「記憶が無くても心配ない
人生は後ろには進まん 進んだら大変だ」


暴漢に襲われ、記憶を無くした男の再生の物語。

男は記憶喪失になっても、うろたえてないところが良いですね。
ネガティブな空気を出してない雰囲気が好きです。
というか記憶喪失な事を誰も気にしてない。


何もかも無くし、住む場所さえ無い。
困難の中、生きていく日々。
路頭に迷っても手を差し伸べてくれる人達がいる。
困った人同士で助け合う大切さ、貧しくても心豊かに生きていけば道は開かれる。
そんな作品です。


数あるエピソードの中、個性豊かな登場人物達も面白い。
彼らの内面を表している様な音楽も心地よい。
名もなき男が冴えない救世軍のバンドにロックを教え、変化した彼らのライブは最高です。

名もなき男が変わるきっかけとなった救世軍の中年女性との不器用な恋も微笑ましい。


仲間との絆を繋ぐには”名前”などいらないのです。

暴漢した男達の末路にもにんまり😏



物語は映画的ですが、淡々とした語り口で独特な雰囲気は好き嫌いが分かれると思います。
が、監督の世界観が好きなので文句無しで面白かったです。


去年の12月頃からアキ・カウリスマキ作品をひたすらに観てきましたが、監督の作品中ではこちらが1番好きです。
このタイミングで近場の映画館でアキ・カウリスマキ特集が組まれたもんだから、1人でほくそ笑んでましたわ😏


ちなみに、この映画館初めて来ましたが、50年前の映画のパンフレットとか大量に置いてあって見ることが出来ます。(ファンが有志で寄付された物もありました)
まさに映画ファンの為に作られたと言っても過言の無い映画館です。
ラインナップも新作から旧作まで上映されてます。
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