東京・山の手の住宅街にある一家。住んでいるのは、還暦の母、長男・勇一郎とその嫁と息子、出戻りの長女・早苗、末娘だ。勇一郎は妻の叔父・鉄本に融資し、その利息を生活の足しにしていた。だが、ある…
>>続きを読む森田屋酒店に嫁いだ礼子は、子供もできず、夫には先立たれてしまうが、店を切り盛りしていた。義弟・幸司の無軌道ぶりは手がつけられなかったが、礼子だけは幸司をいつも優しく迎え入れていた。礼子に淡…
>>続きを読む結婚4年目の夫婦、並木亮太郎と妻・文子の間には冷たい倦怠の空気が流れていた。ある日の日曜日の朝、2人はささいなことからいさかいを始め、亮太郎は出かけてしまう。夕方を迎え、文子が買い出しから…
>>続きを読む父・金次郎の危篤騒ぎで集まった家族一同。簡単に解決できない金銭問題や親族のドロドロ劇が続くなか、唯一の他人である長男の未亡人・芳子は、義理の両親のことを理解しようとするが…。やがて、金次郎…
>>続きを読む大恋愛の末に結婚をした岡本初之輔と三千代。慎ましい生活を送るなか、いつしか夫婦でぶつかりあうことも増えていた。そんなある日、家出をした姪の里子が東京からやってくる。彼女はその奔放な性格で、…
>>続きを読む芸者上りの倉橋きんは、今は色恋よりも金が第一。昔の芸者仲間などを相手に金貸しをやっている。ある時、若い頃にきんと燃え上がるような恋をした男から会いたいという手紙が届く。美しく化粧をして相手…
>>続きを読む62歳の尾形信吾は、歳のせいか夜半によく目を覚ます。鎌倉の谷の奥から聞こえる深い山の音に、自分の死期のようなものを感じて寂しくなった。彼は少年時代の憧れの女性だった妻の姉を思い返す。そして…
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