ユーライ

青春ジャック止められるか、俺たちを2のユーライのレビュー・感想・評価

3.0
貸し切り状態を初体験。平日レイトとはいえアカンやろと思いながら観たが、案の定だった。縁もゆかりも無い他人の葬式に無理矢理参加させられた気分になる。身内だけの二次会三次会まで付き合わされたような。私だって一応映画ファンだから「タイトルは『性賊 セックスジャック』から取ってんのかなー」くらいのことは分かります。同じく自伝を題材にした『フェイブルマンズ』との違いは、スピルバーグの半生には皆興味あるけど、井上淳一とかいう大した実績も残せないまま業界で四半世紀、どうやって食ってんだか知らんけどキネ旬で辛辣な短評やって糊口をしのいでいるオッサンのことなど誰も興味はないという事実だ。自身の若かりし頃を新進のイケメン俳優に演らせた挙げ句、ヒロインに誘惑されても拒否らせる。尋常ではないナルシズムだ。若松孝二が映画監督としての業績はともかく、現場ではパワハラをカマすクソ親父だったのは容易に想像が付くのであって、前作然りそういった側面に対する踏み込みが甘い。結局身内による三丁目の夕日にしかなってないんですよ。それにしても、大した予算もない中で出演するキャストの豪華さはどうだ。映芸界隈ちゅうんですか、ゴールデン街人脈っちゅうんですか……。ギョーカイ横の繋がりを否が応でも喚起させるものがあった。まぁ……お好きにすればいいんじゃないですかね。色んな意味で付いてゆけぬと私は思いましたが。そんなんだから映芸誰も買ってくれないんですよ。今年のベストはもう決まってんだ。知ってんだろ。
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