このレビューはネタバレを含みます
ずっと不穏感は付き纏っていた。
場面転換と共に急に音楽が止まるのとか、
ひたすらの無言とか。
鹿は人を襲わない。
でも、手負いなら分からない。
傷つけられた者が発揮する暴力性。
最後のタクミさんの行動も、そういう動物の本能的なものだったんかな。
悪は存在しないかもしれない。
しかし、暴力は存在する。
鹿の通り道をグランピング場に開拓。
追いやられた鹿はどうすればいい?
補助金の為に使われた人たちは?
廃れた後の後始末は?
汚れた水や土は?
結局、目先に事しか考えられない人たちが掻き乱して、美味いとこだけ吸い上げて私腹を肥やしていくという暴力。
なんと不条理な事か。
あと、
昨今の「悪を完全な悪として描かない」とか
「そちら側からの正義もある」に対しての皮肉にも取れるなとも感じた。
いや、でもやっぱ悪いでしょ?みたいな。
2024-23