悪は存在しないのsappukeiのネタバレレビュー・内容・結末

相変わらず映像が細部に渡るまでキレキレで美しい。どうして日常の何気ないシーンとかにこんな美しく緊張感を持たせられたまま撮れるんだろう。最後まで没入して観られた。濱口監督の師匠筋に当たる黒沢清監督の『カリスマ』を想起させる感もあり。
物語は淡々と穏やかながらどこかヒリヒリと張り詰めた空気のまま進んで、後半のうどん屋のくだりで笑いにより少し弛緩され、そこからあと怒涛のクライマックスへ‥と、よくよく考えたら何と性格の悪い監督だ(褒めてる)
最後の急展開は「普段は臆病な野生の鹿も手負のときは人間を攻撃する」ということなのかな、と思う。