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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のよるのレビュー・感想・評価

4.5
青春の煌めきと切なさを全身に浴びた。

大好きなことにとことん打ち込むこと、持ち味を伸ばし苦手を克服するために努力を惜しまないこと、仲間を信頼すること、仲間と切磋琢磨すること、好敵手に巡り合うこと、敵からも学ぶこと、敵味方関係なく尊重すること、それらを経てさらにそのことが大好きになること。

スポーツの、部活のかけがえのない大切なことをたくさん感じさせてくれる作品。

烏野も音駒も会場や画面の向こうにいる過去の対戦相手たちも、スーパープレーに素直に目を輝かせるのが本当に眩しい。ただただバレーボールが好きな高校生たちが愛おしい。

音駒(というか研磨)視点で描かれたことで、烏野が敵に見えてしまうのが個人的に少し寂しかった。烏野側のモノローグをほぼ入れないことで、翔陽が、飛雄が、ノヤっさんが、大地さんが、旭さんが、田中が、ツッキーが、皆が怖く見えてしまった。でも、研磨を主人公にしようという明確な意思が見えて、原作をなぞるだけではない良さがたくさんあったと思う。終盤の研磨視点のカメラワークが凄まじかった。

翔陽にとっては研磨に「楽しい」と言わせた時点で勝利だったのだろうな。

黒尾先輩はじめ3年生の卒業がどうしようもなく寂しいけれど、その意志を後輩たちが確実に受け継いでいることも描かれ、頼もしい限り。
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