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映画 聲の形のよるのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.2
数年先延ばしにしてきてやっと観た。

脚本も演技も音楽も絵も、強すぎないのがいい。「さあここで感動してください」という強制力を感じなくて見やすい。

京アニの作画は、言うまでもなく美しい。この作品で一番好きなのは、麦秋の、山々と鉄塔と風を切る自転車の風景。

ストーリーは、登場人物それぞれを深く描きこんでいるわけではないので、自分や周囲の人を重ね合わせることができず、入り込めなかったのが少し残念だった。けれど、その分適度な距離を取って見られた。

「俺、君に、生きるの手伝ってほしい」素直で素敵な言葉だと思う。

劇版が新感覚。なんて表現していいかわからないけれど、とにかく繊細で丁寧ですごい!ピアノやギターの音が生っぽくて好き。牛尾憲輔さん、初めて知ったけれど、チェンソーマンとかサイダーのように〜の劇版も作ったらしいので見返すしかない!

西宮さんの声は早見さんと知っていたはずなのに、初めて聞く表現でずっとびっくりし続けていた。うまく言葉が出てこないという表現をここまでリアルにできる人なんだな。やっぱり好きだ。

石川由依ちゃんは無機質な演技が美しくて好きだったけれど、情感豊かな佐原の役もとっても魅力的。
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