ユーライ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のユーライのレビュー・感想・評価

4.5
まず企画が偉い。「コアな人気はあるが客が呼べるか難しいサブカル総本山浅野いにお先生初アニメ化!それだけじゃ弱いからあのちゃんとYOASOBIを招集!カロリーの高い背景美術もちゃんと描写!時代性を捉えた切実な物語!こりゃウケます!」これを大東宝じゃないGAGAが前後編で上映なんだからかなり勝負かけてますよね。こういう映画こそ当たってほしい。原作が完結済みということで色々と手を加えているらしいのだが、ゼロ年代()に日テレ肝入りで堤幸彦の手により実写化された『20世紀少年』を連想させた。週刊連載故の凸凹が修正されずにそのまま出力されており、スーパー脚本家吉田玲子を以てしても意見具申は難しかったのだろうと察する。原作者が出張ったから必ずしも良いとは限らない。監督もミクロとマクロを反復横跳びするお話をどうにかこうにか捌く職人に徹し、あまり欲が見られない。もっとヘンでいいのに、その姿勢が意図したであろう「特別な映画」に結実していないと思う。風呂敷広げて持ち出したのがループってなかなか危険な飛び道具だけど大丈夫なんですかね。あまり期待しないで待ちますが。あと野暮かも知れませんが、女子高生表象にオッサンが希望とやらを仮託して百合にヘラヘラしてる図がクソキメェんだよ。まー「私はお前以外いらない。世界滅ぼすから夜露死苦」メンヘラクソデカ感情啖呵に結構グッときた観客が言うのもナンですがね。
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