このレビューはネタバレを含みます
2024/03/22
(17本目)
立川キノシネマ
イ・ソルヒ監督はイ・チャンドンを敬愛してるらしいが確かにイ・チャンドン作品のようだった。
主人公のムンジョンは間違えた選択をする。その一つの過ちで人生の歯車が狂うと全てが崩れる。ムンジョンが良い人だとか、悪い人だとかは関係ない。それがとて怖かった。
ただ、怖いだけでなく編集のテンポがとても良い。セリフで説明せずに、観客に想像させる演出がとても上手い、初監督とは思えない。
ムンジョンが訪問介護先で奥さんをあやまって殺してしまう。その時少年院からもうすぐ出てくる息子が「お母さんと暮らしたい」と電話で言う。その瞬間からムンジョンの運命は決まったとも言える。
悪い人では無いが、スンナムに対する言葉や態度も最初は相手を思っての事だったのだろう。ただそれが、自分に余裕がなくなるととたんに冷たくなってしまう。でもそれは責められないとも思う。だがそれでスンナムは相手を殺してしまう。
殺した奥さんをのかわりに連れてきた実母は、その家の主人に殺されてしまう。主人も首を吊って死んでしまう。
鍵の0530は息子の誕生日、死体を隠したタンスをその鍵で閉じていて最後は火をつける。出所した息子たちもろとも焼いてしまう。
自分の母親が映ったビデオレターも配信されるし、息子達が助かったとしても、何のために火をつけたとな