猫そぎチャンスペロッテ

メンゲレと私の猫そぎチャンスペロッテのレビュー・感想・評価

メンゲレと私(2023年製作の映画)
4.0
2023年オーストリア
監督/ クリスティアン・クレーネス
/ フロリアン・ヴァイゲンザマー
出演/ ダニエル・ハノッホ(リトアニア出身のユダヤ人)

ドイツの医師ヨーゼフ・メンゲレは、第二次世界大戦の戦争犯罪者で、1940年に武装親衛隊に志願し、 アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、「選別」(命に優劣をつけ選別する優生思想)を行い、「死の天使」と呼ばれ、非人道的な人体実験をした、

メンゲレは、毎日人々を死に追いやった、、死を纏い、死を与える、、優生学を志向し、ユダヤ人の絶滅が仕事だった、メンゲレの前で泣いたものは死、、
赤十字は体裁になった、赤十字はドイツを擁護した、ユダヤ人を助けてくれなかった、
サディスティックなメンゲレにより1400組の双子が実験台になる、、双子は縫い合わされた、静脈を結合された、、
子供は労働不良だ(優生学)、と、、

戦後、彼は逃げ切って南米で死んだ💀、、、


ダニエルの独白「生き延びた秘訣」、

12歳でアウシュヴィッツ強制収容所に連行されたリトアニア出身のユダヤ人、ダニエル・ハノッホ(1932年生まれ)、
彼は、メンゲレ医師の寵愛を受け特異な収容所生活を送る、
しかし、ダニエルが見た真の地獄は終戦末期に連合軍の攻勢から逃れるため強制的に連れていかれた「死の行進」であった、
少年時代に目撃した暴力、伝染病、カニバリズム(人間が人間の肉を食べる行動)といった人類史の最暗部を語る〈独白〉、、
カニバリズムを目撃したら死よりも恐ろしい、それはアメーバのように身体に染み込んでくる、、


そして収容所で最初に死ぬのは、実は楽観的な人だった!(😮オドロキ❗)
「イースターになれば解放されるはず」
「クリスマスになれば解放されるはず」
「ニューイヤーになれば」
「ヒトラーの誕生日には」といった、根拠のない楽観的観測をもって励まし合っていた人々が、最初に死んでいった、(ヨ~クワカル❗)

自身が持つ希望が次々と打ち砕かれて、絶望し病気になり死んでいった、
では、最後まで生き延びた人の共通点は何だったのか? 
それは、使命感を持っていた人だ!
班長、世話係、医師、看護師など、誰かに対し責任を持っていた人々が生き延びたのだ、、
(この話が何かの役に立つのか分からないが、、スバラシイ洞察ダ✴️❗)

彼は、感受性を殺して、無関心・無感情で、悲観論を貫き、走る時はジグザグに走る(楽観主義者は目的地まで真っ直ぐ走る)、そして可能な限り独りでいた、そのことは贈り物だったと語る、、

そして反ユダヤ主義は、ドイツだけではなく、彼の生誕地リトアニアでもあった、リトアニア人がユダヤ人を殺し、それをドイツ人が写真に撮っていた、
ポーランドでもそうだった、オーストリアも反ユダヤ主義が強い傾向だった、

1942年までに、ナチスはドイツ占領下のヨーロッパでユダヤ人全員を殺害する計画(1200万人)を実行し、大量殺人、民族浄化、労働による奴隷化と絶滅(550万人殺害)、そして少数派のドイツ人のアイデンティティをもたらそうとした、、


ダニエルの経験知から楽観的では、生き残れない、、と、しかし悲観的では身体が凍りついたように身動きが出来なくなって、それこそ思う壺ではないか、、
そこに、無関心・無感情を貫くという「精神力」が存在したのか?
(ヨクワカラナイ‼️)
死んでしまった方が〈楽〉という考えもある、前向きな思考も棄てていないと思うけれど、、そしてまた、トラウマをどう乗り越えたのだろうか?

想像もつかない、、戦慄が残った♥️

(そして、彼に対する敬愛の感情が興った💕❗)