ボギーパパ

青春18×2 君へと続く道のボギーパパのネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

劇場2024-43 TC日

友人のレビューというか鑑賞記を読み、こりゃ観ないといかんばいっと鑑賞。
あらすじを確認した際に奇妙な既視感が、、
『PAST LIVES/再会』に随分と、、、

他にも、これまで何度こういった作品を観てきたであろうか、、、
男と女が出会って、別れて、忘れられず会いたくなったが、会えなくって、、、そして、
と言うストーリーは何度もドラマや映画で見たような

しかしその都度、涙してしまう自分がいる。同工異曲ということであり、結論から言うとその異曲ぶりを楽しむためというか、今回も最後は号泣。
いやいや色々仕掛けられていた。

『PAST LIVES/再会』は12歳で別れ、24歳でネット上で再会、36歳で実際に会うため渡米と言う運びであったが、本作はタイトル『青春18×2 君へと続く道』通り18歳で出会い、その18年後、、、と言う段取り。この辺の数字はキリが良いのかな?
時間の経過を見せる事により、その時間を経ても減衰しない愛の量を測るのは必須なのだろう。

とはいえ+ではなく×を使っているところは後になってじわっとくる仕掛けでもあり、、

また『PAST LIVES/再会』に続き、どうにもこうにも本作の主人公ジミーもハッキリしないし未練がましい男に映る。あの描写も後の経過時間があったにもかかわらず、減衰しない愛を強調するための必須演出か。
もちろん我々も後々これが制作者のミスリード(^^)であると気づくわけだがw

と、色々悪口言いたいのかと言われても仕方ない事を書き綴ったが、本作の白眉は
①ジミーを演じるシュー・グァンハンの18年の時間の経過の演じ分け
そんなストーリーがあったのか!
②清原果耶の、ちょっと年上の、気をもたせるおねえさんの目ヂカラと演技
ものすごいキュートさ!
そして何も察せない真の強さ!
③そして何といってもラストへ向い、畳み掛ける種明かし的伏線回収演出。
④そこに出てくる大物俳優出現の衝撃!
特に特に両・黒木さんの崩し方といったら失礼かもしれんが、使い方、、、
かと思う。

特に、特にこの③は監督・脚本の藤井道人さんの技である。完全にしてやられました。
あの、伏線として仕込んでいた部分と、回収するパートで、時間と空間を少〜しだけズラし、あぁ、って思わせるこの技!
これは18年経過したという足し算だけでなく、エネルギーの蓄積と爆発力を表現する掛け算であったかと思う。
匠の技としか言いようがありません。お見事でした。

これは劇場で逃げ場なく観ておいてよかったし、配信などでもまた観たい作品かも。胸はキュッっとなりました。
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