オルソ版を見て本当に泣きそうになったし、暫く立ち上がることができなかった。今作のゴジラが元々持っていた畏ろしさと美しさが濃縮され、強調され、真っ黒で不気味で悍ましくてなのに美しく……夜の放射熱線の場面の描写は圧巻の一言。服装や表情は影が強く重たく、まるで喪服を着ているような厳かさを感じさせる。それでいてメリハリがあり、見えづらかったり感情移入が難しかったりと言うことは全く無い。期間限定での公開というのがあまりにも惜しいが、しかし劇場以外の場所では観てはならない気もする。そんな作品に仕上がっていた。
ああ、畏ろしい。まだ畏ろしい。