イチロヲ

100発100中のイチロヲのレビュー・感想・評価

100発100中(1965年製作の映画)
4.0
軽やかに暗躍する百戦錬磨の殺し屋(宝田明)が、武器密輸王が統べている悪徳組織を追跡していく。「007シリーズ」と「リオの男」から着想を得ている、東宝産スパイ映画。脚本家は、都筑道夫と岡本喜八の最強タッグ。

お調子者のイケメン諜報部員とグラマーなヒロイン(浜美枝)が、付かず離れずのコンビを結成するという、典型パターン。「そんなわけないじゃん!」というツッコミ込みで鑑賞すべし。場面転換が多いため、当時の町並みを堪能することもできる。

役立たずの道化役だと思われていた老刑事(有島一郎)が、いざとなると一番頼りがいのある仲間になるところが面白い。実質的に、有島一郎のキャラクター性を楽しむための作品と言っても過言ではない。

後に連載が開始する「ルパン三世」を想起させるモチーフが、随所にて散見される。確証はないけれど、元ネタは「黄金の七人」「あの胸にもういちど」の他に、ここにもあったのかも知れない。
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