うたまるさん

ビー・デビルのうたまるさんのレビュー・感想・評価

ビー・デビル(2010年製作の映画)
3.4
久しぶりに、( ・᷄ὢ・᷅ )←ずーっとこんな顔になったまま観ちゃいました(笑)

韓国ノワールの王道みたいな作品でしたね(あくまでも主観です)。
とにかく暗い、とにかく酷い、とにかく痛い…など直視することすら拷問のようなストーリーで、終始モヤモヤしっぱなしでしたが、フィクションとは言え、こんな現実が世界のあちらこちらで起こっているかもと思うと、いたたまれない気持ちになりました。

主人公のへウォンはソウルの銀行に勤め、キャリアウーマンのような生活を送っていた。しかし、仕事や人間関係などのストレスに疲れ切ってもいた。
ある日、職場で起こしてしまった暴力事件で休職を言い渡された彼女は、ずっと疎遠だった自分の故郷である無島(ムンド)に帰省することにした。
無島には、幼い頃から島を離れることなく暮らしている幼馴染のボンナムがいる。
実はへウォンは幾度となくボンナムから手紙をもらってはいたのだが、開封すらしていなかったのだ。

ボンナムは久しぶりのへウォンとの再会を大いに喜び、住まいの清掃はもちろん、食事の準備もしてくれていた。

無島はへウォンが幼かった頃の活気はすでになくなっており、島に住む人も4世帯9人にまで減ってしまっていた。
男性はわずか3名しかおらず、痴呆になってしまったボンナムの義父と、ボンナムの夫のマンジョン、そしてマンジョンの弟のチョルジョンだけだった。

島の中はまるでタイムスリップしたかと思うくらいのどかで、都会の喧騒に疲れ果てたへウォンの心を癒してくれた。そして、唯一の子供ボンナムの娘ヨニとも仲良くゆっくりとした時間を過ごすことができ、快適だった。ただ一つの違和感を除いては…。

へウォンが感じていた違和感とはボンナムのことだった。
彼女が自分に接してくる距離感はただの友達のそれとは異なり、不自然なくらいに近すぎるし、彼女が会いに来てくれる度に顔のあざも増えている気がするし…。
何かこの島はおかしいとさえ感じられたへウォンは早々に島を去ろうと考える。
しかし、島の長老的立場のトンホ婆さんの言動も気にかかる。
この島では一体何が起こっていて、これから自分にどんなことが降りかかってくるのか、そんな不安が徐々に現実のものへと変わっていく…。

と、まあ序章としてはこんな感じですけど、ここからのストーリーは、まさに筆舌に尽くしがたい内容で、冒頭の( ・᷄ὢ・᷅ )←こんな顔状態が続きます。
私が書いた序章のあらすじでは都会暮らしのへウォンの物語と思われると思いますが、中盤は島に残されたボンナムの物語が中心です。

まだ観ていない人のために詳しくは書きませんが、本作品のパッケージ写真やタイトルの意味がわかるようになってきます。
うーん、知りたいようで知りたくなかった…。

とにかく、同じ韓国映画の「おもちゃ」を観た時にも感じましたが、途中、途中で感じる部分に自分の感情を挟まないようにすることに必死になってしまう作品です💦

かなり、抽象的な表現になってしまいましたが、まだご覧になっていない人は是非鑑賞してみてください。
まぁ、最後の最後で雰囲気を変えようとしているところは少しだけ脱力できますが、その程度ではほぐしようがないくらい力が入った鑑賞になると思います。

意地悪な表現になりますが、普段生ぬるいアイドルのプロモーション映画ばかりを観ている人には是非ともチャレンジしてもらいたい辛口な作品です。
王道韓国ノワールを楽しみたい人にオススメです。
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