このレビューはネタバレを含みます
第二次世界大戦、オランダ、ユダヤで連想されるのは、アンネの日記ぐらいしかない。
後はブロンド女性歌手でユダヤ悲運関連と言えば、【リリーマルレーン】だろうか?
いずれにせよ私の第二次世界大戦下のオランダに関する知識は酷く乏しい。
バーホーベン達がマタ・ハリ以外、何処からインスパイアされてこの物語を紡ぎ出したのかは知る由もないが、少なくとも逃げ回るのでは無く、ナチに深く潜入し、復讐を遂げようとするOffensiveな女性の話なので痛々しくは無い。
ナチも対ナチレジスタンスも、一枚岩では無いところがストーリーに厚みを持たせている。
戦中戦後、立場が反転してからも、その立ち回り方で勝負が決まる。
しかしムンツェ大尉とのロマンスが中心になってから、急に俗っぽく娯楽作品になってしまった。
しかし娯楽作品と割り切れば、長尺にも関わらず、あまり退屈させない。
フランケン役のW.コブスがその風貌からは想像出来ない位狡智だっただけで無く、更にデュエットも上手い。
その最期はちょっと期待外れだったけど。
アッカーマンのクソっぷりは結構予想外だった。
ドイツ側の黒幕は、D.デ.リント演じるクイプナー将軍だと思うが、その後の顛末は語られない。
チョコや棺桶の伏線回収も効いていた。
ラヘル/エリスから見た女性スパイの勧善懲悪ものという直線的なストーリーに、味付けされた肉付けが美味い作品だと思う。
無論、彼女の綺麗な歌声とおっ○いも素晴らしかったです。
かしこ。