サーフ

ゴジラ対ヘドラのサーフのレビュー・感想・評価

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)
3.6
ゴジラシリーズの第11作となる今作。

海洋汚染が進んだ駿河湾でオタマジャクシに似た謎の生物が発見され、同時期にそれに似た巨大生物がタンカーを襲うという事件が発生していた。
主人公である少年・研はその謎の生物を「ヘドラ」と名付け、そのヘドラは人間が生み出した汚染を取り入れ姿を変形させながら成長していく。
海中から地上へ上がり人間を襲うヘドラ。被害が広がっていく中遂にゴジラがヘドラの前に立ちはだかる…と言うのが大まかなストーリー。

前評判として「異色の作品」という事は聞いていたけど確かにそれまでのゴジラ映画と比べると一線も二線も画する作品になっている。

それまでのゴジラ作品は「ゴジラと怪獣とのプロレスバトル」が主立ってたけど、この「ゴジラ対ヘドラ」はヘドラが誕生する事となった「公害」に対する問題提起など社会に対するメッセージが強く打ち出された作品。
終盤にはバトル要素もあるけど「公害」によって生み出されたヘドラvs「核」によって生み出されたゴジラという構図は他のゴジラ映画のバトルとはそこに込められている意味が全然違っているようにも感じた。

人間の自分勝手な行動から生まれた怪獣を倒すゴジラを見てると人間の尻拭いさせてるみたいでなんか申し訳なくなるな。

メッセージ性の有無以外にも劇中、急にアニメーションが差し込まれたり、サイケな映像表現が使われていたりとかなり前衛的な要素も孕んでいる作品。

基本的にムードはシリアス。ヘドラは容赦なく人を襲うし、死体もバンバン出てくる。なのに終盤の空飛ぶゴジラの映像はなんだか気が抜けたようでシリアスの中に突如現れるコミカルがなんともアンバランス。
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