緑青

プロジェクトAの緑青のレビュー・感想・評価

プロジェクトA(1983年製作の映画)
4.0
なんかもう、観ながら思わず口から「おもろ…」と漏れる傑作。香港アクション映画黄金期の宝石のような作品。面白すぎる。最高だった。

とにかく初っ端から、喧嘩のシーンが長尺で見応えたっぷりでワクワクしてしまう。この調子で話ちゃんと終わるんか?と不安になるが、話が展開するところはコントみたいに無茶苦茶どんどん進むのでストーリー自体は結構複雑である。香港の当時の状況がもろもろ分かればわかりやすいかもしれない。ジャッキーとサモ・ハンの鉄壁の悪友感と、ジャガーの対立→共闘→敬意と友愛への見事な流れが相まってエモくてアツい。あとマーズさんおるやん!とテンション上がった。本当にみんなカッコ良く、終盤は登場のたびに快哉を上げてしまった。
あと、意外なところでツボだったのは海賊の描写。ワンピースもかくやという見事な「「海賊」」イメージの映像化に成功していた。帆の裏に隠れるのとか宴とか力比べとか衣装とか武器とか、期待を120%のクオリティで叶えてくれる。キャプテンまじ最高なのよ。みんな観てくれよ。
ひとつ、なんかすごくいいなと思ったのは、外国から来た上司にジャッキーが啖呵を切るシーン、「何人もの罪のない人間が死んで来た、それでいいはずないでしょう!」という旨のめちゃくちゃ真っ当なことをすごく真っ直ぐ言って、ちょっとほろっと来てしまった。上司が普通に説得されるのもよかった。夢がある。この映画にはあらゆる意味の夢が詰まっているのよ。

かの有名な時計台フォールはこの映画だったんか!!とびっくり、猛烈に感激した。アクションのレベルはもはや爛熟していると言っていい。手榴弾爆破カットは全部、ただ茫然として笑うしかなかった。すごすぎる。やっぱりサモハンとジャッキーは頭10個くらい抜けている感はある(そういう風に撮られてもいる、ヤバいカッコいい)。
吹替めっちゃいいのでお勧めします。
何回観ても面白いだろうなこれ。
緑青

緑青