クリーム

誰がためのクリームのレビュー・感想・評価

誰がため(2008年製作の映画)
3.8
フラメンとシトロンと言うデンマークでは有名な実在の人物を描く事で、戦争の虚しさを描いています。シトロンをマッツ·ミケルセンが、演じています。
第二次世界大戦末期。
反ナチスの地下抵抗組織ホルガ·ダンスケの一員、フラメンとシトロンの任務は、ゲシュタポとナチスに寝返った人たちを暗殺する事でした。が、2人は徐々に任務への疑問を抱き始めます。そして、彼等は、組織に対する疑念を膨らませるようになるのでした。



ネタバレ↓



フラメンとシトロンの暗殺対象者は、ナチスドイツの情報機関関係者達だが、ある日、暗殺の命令を受けたドイツ軍大佐ギルバートと話すと悪い人ではなさそうだった。なぜヴィンターは彼の暗殺を命じたのか?疑問を持ちます。そこで2人は迷い疑い始めます。そんな時に年上の女ケティと知り合うフラメン。若さもあり骨抜きになるのだが、ヴィンターは仲間を売った二重スパイはケティだと言い、フラメンにケティの殺害を命じた。
結局、イギリスの指令だと言われて行っていた殺人が、実はヴィンターの私的理由であると言う事が判明します。ここから、組織に背を向け、2人の暴走が始まる。 そして、最大の敵、ゲシュタポの地区長官ホフマンの射殺計画自体も、周囲の反対を受けるようになります。益々、組織に疑問と怒りを感じ暴走して行く。 結果として2人ともタレ込みで命を落としました。
フラメンを売ったのは、ケティだった。その事をフラメンは知らずに亡くなったが、ホフマンの愛人までしていた。利害関係で動くしたたかな、女。このケティを演じた女優さんが、生活に疲れお肌ボロボロな商売女っぽい感じに仕上がっているので、観賞者は「駄目に決まってるだろ、この女」って思うんですけどね…。妙にリアルな女性でした。
一体何の為に闘ったのか?戦後に2人に勲章が贈られて名誉回復がされたが、国の為と思った殺人は、デンマークにとってどんな利益となったのか?おそらく、何の為にもなっていない。戦争の虚しさを感じさせられる映画でした。

※マッツがずっーと、アブラギッシュです。マッツじゃなきゃ、ちょっと気持ち悪い。なんであんな演出だったんだろう?疑問だ。
ケティの役の女優さんといい、生活感を出す演出に拘ったのかも知れないが…。
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